＜あらすじ＞
ボクシング東洋ウエルター級のタイトルを獲得した稲田は、同僚の手塚とともに帰国の船上にいた。そこで稲田は歌手・大川あやめと運命の出逢いをする。たちまち恋に落ちたふたりは結婚の約束をするのだった。その様子をあやめのマネジャー・竹島は複雑な心境で眺めていた。順調な航海をしていた筈の船が機雷に触れて沈没してしまう。名も知らぬ南方の孤島に漂着する竹島とあやめ、それにあやめの弟子・芳子と秋子。幸運にも命拾いをした四人は、生き延びるための過酷な生活を始める。極限の状況で次第に理性を失っていった竹島は、欲望のままにあやめを襲うのだった。時を同じくして、この島に流れ着いていた稲田と手塚が四人の前に現れる。再会を喜ぶ稲田に竹島と結ばれてしまったことを告げるあやめ。稲田はあやめの裏切りを攻め、思わず平手打ちしてしまう。自暴自棄となった稲田は芳子と秋子を襲った手塚を必要以上に叩きのめし、ついには皆で生活する小屋を離れていく。欲望や不満が鬱積した手塚はあやめを襲って竹島と争いになるが、その手塚に竹島は悪辣な提案をするのだった。そして極限状態の中で、あやめにも変化が起きていく。