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セクシャルマイノリティ映画で話題のスカッド監督の作品

スカッド監督3作目の長編作品。製作と脚本も担当し、ローレンス・ラウとの共同監督作品になっている。2作目の自伝的作品「パーマネント レジデンス(永久留民)」に続き、同性愛を正面から扱っており、オーストラリアからやって来たバイセクシャルの青年がストレートの水泳コーチと出会い、愛を育んでいくという物語。相手の青年が異性愛者であったことや、過去に性的な辛い経験をしていること、知らない間にドラッグ中毒になっていたことなど複雑な要素が絡み合い、せつない展開になっている。
主演はミスター香港のバイロン・パン(彭冠期)とモデル出身のトム・プライス(白梓軒)。レンタルDVD屋の店長役でスカッド監督もカメオ出演。映像が美しく、イケメン二人のラブストーリーだけに、不思議な爽やかさもあり。ヌードシーンは多いが、むしろプラトニックラブを感じさせる仕上がりになっている。人山人海による音楽も素晴らしく、混濁した青年の心を表すように過去シーンが同時進行で描かれるなど、映像面でも凝っている。特にバイロン・パンの演技は出色で、香港電影金像奨の新人賞にノミネートされた。英語タイトルの「アンフェタミン」はドラッグだが、原題の「安非他命」は「これが彼の運命なのだろうか?」という問いかけとなっている。

＜あらすじ＞
オーストラリアからやって来たエリート証券マンのダニエルは、偶然見かけた水泳コーチのカフカに惹かれる。ダニエルはバイセクシャルだが、カフカはストレートで恋人もいた。ダニエルは恋人と別れたカフカに近づき、友情を育んでいく。だが、カフカには過去に性的虐待を受けた記憶があり、兄のせいでドラッグ漬けにされていた…。