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開高健のパリ
開高健のパリ
レーベル
集英社
規格品番
9784087816778
フォーマット
Book
バーコード
9784087816778
日本 - Japan
発売日
2019年9月5日
ジャンル
サマリー/統計情報
基本情報充実度:
92%
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基本情報登録状況
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クレジット
著者:開高健
リリース概要
<商品の情報>
パリは作家開高健にとって、20代の終わりに初めて訪れて以来何度も足を運んだ特別な場所。そのパリについて書かれたエッセイを選りすぐって編み直し、またほとんど知られていないユトリロについての評論と絵の解説を25点の絵とともに掲載した、開高健初めての「大人の絵本」です。

2019年の没後30年から2020年の生誕90年にかけての1年間は「開高健TheYear」。
開高健の豊穣なる文章の世界に触れてみませんか。
解説は作家角田光代。

<商品の説明>
「はじめてパリへいったときは信じられなかった。歓喜が噴水のようにこみあげてきて、ホテルでおとなしく寝ていられたものではなかった。足の向くまま徹夜で歩きまわり、くたくたに疲れて夜明け頃、パンの香りや霧といっしょにホテルにもどった。壮大な石の森のような夜のパリを靴音たててさまよい歩き、暗がりから浮かびあがる紺地の町名板を読んで、これはどの本にでてきた町だ、あれは誰かが住んでいた町だと記憶をまさぐるのは愉しみだった。そして、一にも信じられず、二にも信じられず、三にも信じられなかった。」(本書「靴を投げて」より)

「数年前、パリにいたとき、某夜、知人のマダムにつれられて第16区のお屋敷町へでかけたことがあった。夜食をとるための小さな集りということだったが、知人のマダムは私に
"昔の金持ち"の家を見せてあげるわヨ、といった。
夜ふけに自動車でつれこまれたそのお屋敷はさながら苔むす屍であった。薔薇模様の鍛鉄の鉄門をギィとおして入ると、"中央参道"といいたくなるような白い砂利道があって、邸内には原生林にありそうな頑強、古怪な栗の木が幾本となく聳え、枯葉と苔の匂いがしめやかに漂っている。」(本書「ドアと文学」より)

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