【私的年間BEST ALBUM:第4位】 パンク・ロックの荒々しさとプログレッシヴ・ロックの曲展開とが同居する斬新なサウンドを引っ提げて登場し、たちまちニュー・ウェーヴ・オブ・ブリティッシュ・ヘヴィ・メタル(NWOBHM)の旗手となったバンドによる英国EMIレコードから発表された記念すべきデビュー・アルバム(邦題は「鋼鉄の処女」)で、全英4位を記録しました。メンバーはリーダーのスティーヴ・ハリス(B)、ポール・ディアノ(Vo)、デイヴ・マーレイ(G)、デニス・ストラットン(G)、クライヴ・バー(Dr)の5人。ウィル・マローンのプロデュースによる本作は録音状態が悪いとの声も聞かれますが、新人ならではの勢いが感じられるため、個人的には全く気になりません。ワウ・ギターを轟かせる疾走曲1.PROWLER、静と動の対比が見事な2.REMEMBER TOMORROW、イントロのドラム・リフが印象的な代表曲3.RUNNING FREE、弦楽器がザクザクとリフを刻むインスト曲5.TRANSYLVANIA、メロウに歌う6.STRANGE WORLD、トリッキーなリフの7.CHARLOTTE THE HARLOTといった好曲を収録しておりますが、ギターとベースのハーモニー&ユニゾンがドラマティックに展開する4.PHANTOM OF THE OPERAとツイン・ギター・ハーモニーがこの上なく格好いいタイトル曲8.IRON MAIDENの2曲は特に完成度の高い逸品です。