＜商品の情報＞
映画『母と暮せば』(松竹)の小説版。
山田洋次監督が井上ひさし氏へのオマージュを込めて、井上氏の名作『父と暮せば』と対になる作品を書き上げた。
広島と長崎、共に原爆で家族を失った人たちを描いたファンタジーだが、反戦への強い思いは変わらない。戦後70年、また安保法制でいまだ揺れる今の日本に必要な作品である。
母が息子を想う気持ち。息子が母を想う気持ち。そして戦争という悲劇の中でも人が人を思いやる気持ち。普遍的な大きな愛を描いた感動作。

＜商品の説明＞
1945年8月9日、原爆を落とされ、壊滅的な被害を受けた長崎でひとり暮す福原伸子。彼女は長男謙一をビルマ戦線で、次男浩二を原爆で失った。浩二は長崎の離島で医療に従事したいと長崎医科大学に通っていたが、講義の最中に帰らぬ人となった。その浩二のかつての恋人町子はなにかと伸子を気にかけてくれていた。そして3年が経ち、ようやく息子の死を受け入れられるようになったとき、浩二の亡霊が伸子の前に現れた――。浩二は町子が今も好きでたまらない。町子も浩二への思いを断ち切れない。しかし幸せになるには浩二を忘れなくてはいけないと、伸子は浩二と町子を諭すのだった。被爆の影響か、3年間の心労のせいか、日に日に弱っていく伸子は、町子の婚約を知らされると、安堵したようにそっと目を閉じて......。