＜商品の情報＞
鍵を握るのは農薬による徹底防除? それとも生物の多様性? 私たちの主食「米」とアジアの農業の将来を1匹の虫を通して考える

―ウンカの大量発生は私たちに何を語りかけているのでしょうか

アジアの稲作地帯ではコメの養分を吸い取る害虫トビイロウンカ(通称・ホッパー)の影響が深刻である。その被害はタイ、中国、ヴェトナム、西日本にまで及ぶ。たび重なる農薬散布に農薬にも耐えうる害虫となったウンカは大量発生。広範囲なアジアへの取材、害虫の視点から見た人間の農薬経済への矛盾。ときに深刻でときにユーモラスに記録された人間と害虫の知恵比べ!

＜あらすじ＞
アジアの稲作地帯では害虫、「稲ウンカ」が大量発生し米の生産に深刻な打撃を与えています。収穫量を3倍にし、世界を飢餓から救ったと賞賛された「緑の革命」(1960～80年)。その当時問題となった害虫が、再び暴走を始めたのは何故か。稲ウンカはタイや中国、ベトナムの米作地帯だけでなく、海を超え1000キロ先の西日本にまで飛来しています。稲を守ろうと農薬を大量散布する農民と、抵抗性稲品種の開発にいそしむ科学者の努力を尻目に次々と環境に適応するウンカ。この作品ではアジアの水田地帯で繰り広げられるウンカと稲と人間を巡るレースの行方を探ります。2050年には90億人に達すると予想される世界人口をどのように養うのか、食料の安全保障が厚く議論されています。農薬や化学肥料を大量に投入する現代農業を続けていてもいいのでしょうか。