レコード会社の介入を嫌って自ら設立したスワン・ソング・レコードから発表された伝説的英国ハード・ロック・バンドによる6枚目スタジオ・アルバムです。メンバーはジミー・ペイジ(G)、ロバート・プラント(Vo)、ジョン・ポール・ジョーンズ(B)、ジョン・ボーナム(Dr)の4人で、本作もペイジ(G)自身がプロデュースを担当、過去のレコーディングにおけるアウトテイクを加えた2枚組として発表され、前作に引き続き全英・全米ともに1位を記録、米国では800万枚以上を売り上げております。建物の窓がくり抜かれた変形アルバム・ジャケットはグラミー賞の最優秀アルバム・パッケージ部門にもノミネートされました。前作で広げたサウンドの幅は本作でも維持されておりますが、フックのあるギター・リフが多数収録されている点については前作を超えております。ジョーンジーによるクラヴィネットの大胆な導入も本作の魅力でしょう。一枚目の重厚で骨太な1.CUSTARD PIE、ウネウネとしたギター・リフがこの上なく格好いい2.THE ROVER、ゴスペル・ブルースにインスパイアされたペイジのスライド・ギターが際立つ11分強の3.IN MY TIME OF DYING、シンプルでファンキーな前アルバムと同タイトルの4.HOUSE OF THE HOLY、クラヴィネットの奏でるサウンドがダンサンブルな5.TRAMPLED UNDER FOOT、ロック史に残るギター・リフとオーケストレーションを収めた名曲6.KASHMIRまでの完成度は奇跡的。二枚目の方も陰から陽への変化が激しい1.IN THE LIGHT、アコースティック小曲2.BRON-YR-AUR、トレモロ・ギターが印象的な3.DOWN BY THE SEASIDE、終盤の幾重にも重ねられたギターが美しい4.TEN YEARS GONE、ハモンドに彩られた5.NIGHT FLIGHT、中世音楽の様な6.THE WANTON SONG、イアン・スチュワート(Key)参加の7.BOOGIE WITH STU、カントリー調の8.BLACK COUNTRY WOMAN、轟音リフの9.SICK AGAINと好曲揃い。