＜商品の情報＞
カルト大作『サラゴサの写本』(65)の名匠ハスが放ったもうひとつの幻想絵巻。「視覚的に最も美しく、かつオリジナルなポーランド映画の1本」と称される秀作!

ユダヤ系ポーランド人作家・美術家・文芸批評家ブルーノ・シュルツ(1892年～1942年)の短編小説『砂時計サナトリウム』と『春』を中心に、シュルツのさまざまな小説作品を自在に組み換えなおして作り上げられた風雅な幻想映画の秀作。本邦初DVD化!

シュルツ独自の世界を最大限生かしながらも大胆に翻案した映画用脚本は、監督ヴォイチェフ・イエジー・ハス自身の手によるもの。光と影、豊かな色彩、精巧かつ大規模なセットを活用して超現実的なヴィジョンが次々と繰り出されつつ、失われた時代への郷愁と濃厚に立ち込める死の予感が交錯し、観る者を幻惑と陶酔の渦へと巻き込む。

1973年度のカンヌ国際映画祭審査員賞受賞作品。セットデザインを手がけたアンジェイ・プウォツキとイエジー・スカルジンスキは、1974年度グダンスク映画祭最優秀セットデザイン賞を受賞した。

原題 SANATORIUM POD KLEPSYDRA
英題 THE HOURGLASS SANATORIUM

1982年4月日本公開(シネマテーク・ジャポネーズ提供)

＜あらすじ＞
老朽化した列車の客席で眠り込んでいたユゼフ(ヤン・ノヴィツキ)に、盲目の車掌(ミェチスワフ・ヴォイト)が目的地への到着を告げる。列車を降りたユゼフが父ヤクブ(タデウシュ・コンドラト)のいる療養所を訪れると、色情狂めいた若い看護婦(ヤニナ・ソコロフスカ)とゴタール医師(グスタフ・ホルベク)が彼を出迎える。父親は、荒廃しつつあるこの療養所ではかろうじて生きているが、俗世ではすでに死んだ存在らしい。しかもユゼフが診療所に足を踏み入れて以後、徐々に時間の流れが歪んだようになり、さまざまな過去が気まぐれに蘇り始める・・・。