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繰り返す波の中に さすらいの歌は消えた
神代辰巳監督による青春映画の歴史的傑作!

"エロスの名匠"神代辰巳が、普遍的な若者の姿を描いた70年代青春映画の傑作! 快活な雰囲気でありながら、どこか暗さを秘めたヒロインを繊細に演じるのは、初期ロマンポルノ黄金期を築いた女優の一人、中川梨絵。

快活な雰囲気でありながら、どこか暗さを秘めたヒロインを繊細に演じるのは中川梨絵。東宝から日活へ移籍して『OL日記 牝猫の匂い』で一躍ロマンポルノの主演女優として花開き、続く『花弁のしずく』『エロスの誘惑』『(秘)女郎責め地獄』など、演技力と美貌を兼ね備えた女優として活躍し、白川和子や田中真理らと共に初期ロマンポルノ黄金期を支えた。
主人公の青年を演じたのは、小劇場出身の大江徹。本作品が映画初出演にして主役デビューとなり、以降『希望ヶ丘夫婦戦争』『あんねの日記』等に出演。さらに70年代の浮沈の激しい女優陣の中で、ロマンポルノを支える女優として『人妻集団暴行致死事件』など様々な作品に出演した絵沢萠子が、物憂げな映画館主の妻を妖艶に演じる。
監督は、79年に傑作『赫い髪の女』を発表し、エロスの巨匠としての地位も確立していた神代辰巳。本作は神代自身、思い入れがあったという。撮影は神代監督と名コンビを組み、日本映画を代表するカメラマンである姫田真左久氏が担当。

●デジタル・ニューマスター使用

＜あらすじ＞
海沿いの寂れた町にやってきた克(大江徹)は、映画館のフィルムを自転車で運ぶ仕事をしている。職場の同僚や町の若者たちは彼を故郷に帰ってきた者として話しかけるが、克はそれを認めようとしない。映画館主の妻(絵沢萠子)は、雇い人である彼の身元を詮索しながらも惹かれており、夜中に彼を誘い出すと体を重ねるのだった。ある日、克はうっそうとした草原の中で全裸になって交わっている若い一組の男女、光夫と洋子(中川梨絵)を見かける。見つめ続ける克に羞恥と憤怒を露にするふたり。光夫は克を殴り倒すが、その後、積極的に克に関わろうとして女を紹介する。克はその女を無理やり犯そうとするのだった・・・。