＜商品の情報＞
列強に国土を分割され、消滅国家となっていた19世紀末のポーランド。
世界屈指の繊維工業地帯ウッチを舞台に、人種の異なる三人の若者の野望を描く。
アンジェイ・ワイダが、祖国ポーランドの文化にオマージュを捧げた壮大な歴史劇。

1974年のポーランド映画『約束の土地』は、ポーランドが隣接するロシア、プロイセン、オーストリアの三列強に国土を分割され、国家としては消滅していた時代を背景として、世界最大の総合繊維工業地帯の一つウッチを舞台に若者たちの夢とその代償を描いた作品である。原作は、ノーベル文学賞作家ヴワディスワフ・レイモントの同名小説。アンジェイ・ワイダは原作の写実的な姿勢を映像に置き換えたいと望み、製作当時にウッチに残っていた19世紀からの大工場群を撮影に使用して、リアリスティックな歴史劇を撮った。ポーランドの文化的豊かさとその活力に捧げたオマージュともいえる本作は、世界的に賞賛され、1975年モスクワ国際映画祭金賞を受賞。1976年のアカデミー外国語映画賞にもノミネートされた。

原題 ZEIMIA OBIECANA
英題 LAND OF PROMISE (THE PROMISED LAND)

1981年8月日本公開(日本ヘラルド映画配給)
岩波ホール 公開作品

＜あらすじ＞
19世紀末、ポーランドのウッチ郊外にあるクルフ。士族階級のボロヴィェツキ氏(タデウシュ・ビアウォシュチンスキ)の屋敷の庭に、ボロヴィェツキの息子であるカロル・ボロヴィェツキ(ダニエル・オルブルイフスキ)と、彼の友人のユダヤ人モリツ・ヴェルト(ヴォイツェフ・プショニャク)およびドイツ人マックス・バウム(アンジェイ・セヴェリィン)の若者三人が自転車に乗ってやって来る。カロルは許婚のアンカ(アンナ・ネフレベッカ)と逢瀬を楽しむ。ボロヴィェツキ家は400年の歴史を誇る旧家である。ボロヴィェツキ氏は伝統にこだわっているが、カロルは新たな時代に適合しなくてはならないと考えている。カロル、モリツ、マックスは、三人で協力して自分達の工場建設を誓い合う……。