＜商品の情報＞
結城昌治の同名小説を、荒井晴彦が脚色し神代辰巳が映画化。にっかつロマン・ポルノに代わる一般映画の新ブランド「シネ・ロッポニカ」の第一弾として製作された。

(株)にっかつ(当時)はロマンポルノを終了、「ロッポニカ」レーベルで一般向け映画の製作・配給を再開した。記念すべき「ロッポニカ」第一弾として企画・製作されたのが本作「噛む女」である。
時代は昭和から平成へ、バブルの胎動と映画界の改変の波野中、ロマンポルノの名監督から世界的名匠へとなりつつあった神代辰巳監督を再び招き、新生日活のスタートとして鳴り物入りで製作・公開された。原作は結城昌治。脚本は「Wの悲劇」の荒井晴彦。同年に公開され大ヒットしていた『危険な情事』をはるかに凌ぐ不倫を題材としたサイコミステリーとして、本作でキネマ旬報脚本賞を受賞した。撮影は、後に岩井俊二作品の映像世界を作り出す篠田昇が見事な映像を作り上げている。
キャストは桃井かおりと永島敏行の夫婦に忍び寄る、「噛む女」に余貴美子、二転三転するミステリー展開と濃密なエロス描写は、まさに脂の乗り切った神代演出が、時代の変革期に作り上げた衝撃の傑作! 時代の変遷とともに高まる再評価の中、HDリマスターによる待望の初DVD化が実現!

1988年7月1日劇場公開

＜あらすじ＞
アダルトビデオ制作会社の社長である古賀雄一(永島敏行)は、妻(桃井かおり)と娘がいながら、女遊びと夜遊びを繰り返していた。バラエティ番組に出演した彼は、テレビを見たという小学校の同級生から連絡を受ける。名は早苗(余貴美子)といい、その夜ホテルへ行った。そこで早苗はいきなり雄一の肩に噛みついてきた。「あなたの家庭を壊わしたくなった」と言う早苗に、雄一は軽く「いいよ」と答えた。雄一は遊びのつもりだったが、早苗はそうではなかった。雄一の家に会社に無言電話がかかるようになった。雄一は早苗のことを興信所に調べさせるが、早苗はすでにこの世にいないことが判明する・・・。