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日本のアニメーションを考えるとき、宮崎駿とともに連想される二大巨頭のひとり、高畑勲。しかし、その仕事の大きさに対し、語られることの非常に少ない存在でもある。高畑勲とはいったい誰なのか?
父は教育者で岡山の名誉県民にして菊判池寛と同級、自身は東大仏文科で大江健三郎と同級……典型的なインテリの来歴は作品にいかに作用するのか――「高畑勲には矛盾がある」(本書より)。高畑を中心とした私的なアニメ受容史をとおし、日本アニメ隆盛の経緯と、「不思議の国・日本」に生きる知識人の宿命を、小谷野敦が暴き出す!本邦初の高畑論。