＜あらすじ＞
■見つめられる淑女たち
『注文の多い料理店』
不倫カップル、藤子(石原さとみ)と左右吉(宮迫博之)は猟の途中、山で迷子になり、途方に暮れるが、森の中に佇むレストラン「山猫軒」を発見。店の外に掲げられたメニューには、「どなたもどうかお越しください。決して遠慮はありません」「ことに肥った方や若い方は、大歓迎いたします」と書いてある。2人は奇妙に思いながらも、レストランの中へ足を踏み入れるのだったが・・。
『乳房』
中学生の寛次(影山樹生弥)は最近、自分の乳房が膨らんでいく夢に悩まされている。実際にしこりもあり、触ると痛い。自分はこのまま女になってしまうのでは・・・不安に駆られる日々を送る寛次はある日、夜間巡視の途中、理髪店の女主人・かな江(水崎綾女)の豊満な乳房を覗き見てしまう。かな江の若く、女性らしい乳房が目に焼き付いて離れなくなってしまった寛次は翌日、かな江の店へ行くのだが・・・。―思春期の少年の悩みと、夫を戦争に取られた人妻の心情を細やかに描く人間ドラマ!
『人妻』
町外れの家を間借りした桑田(大西信満)は快適な新生活を始める。しかしまだ若く、独身の桑田は、天真爛漫で豊満な家主の妻・年子(谷村美月)の、桑田に対する何気ない言動や、年子の''夫婦生活''が気になり、日々悶々とする。そんなある日、事件は起こる。年子の夫が留守の晩、桑田が帰宅すると、縄で縛られた年子の姿が・・・。

■告白する紳士たち
『鮨』
「福ずし」の看板娘・ともよ(橋本愛)は、常連客の中でも異彩を放つ無口な中年紳士・湊(リリー・フランキー)に 淡い恋心を寄せている。ある日、ともよは買い物の途中に湊と遭遇する。湊はともよに亡き母(市川実日子)との思い出を語り出す。それは鮨にまつわる、切なくも美しい、親子の物語だった・・・。―岡本太郎の実母・岡本かの子の隠れた名作を映像化、涙なしでは見られない感動作!
『握った手』
なった内気な大学生・松夫(山田孝之)。綾子はあのような時、誰に対しても握られた手を握り返すのではないか? 不安に陥った松夫は、心理学の達人である女学生・由子(成海璃子)の手をいきなり握るという「革命」を起こすのだが…。―ひとりの男とふたりの女・・・''革命''のてん末をシリアスに且つコミカルに描いた衝撃作!
『幸福の彼方』
戦場で片眼を失った男・信一(三浦貴大)と見合い結婚した絹子(波瑠)。優しい信一と幸せな結婚生活を送っていた絹子だったが、ある日信一に告白される。「僕には子供がいるんだ。」―衝撃を受ける絹子だったが、信一と共に子供に会いに行く決意をする。そしてその道すがら、子供連れの家族と遭遇する。その家族の悠々とした姿に感化された絹子が下した決断とは・・・?―幸せとは何か?女性の生き方、そして夫婦や家族のあり方を問う感動作!