米国出身のヴォーカリスト兼ギタリスト兼ソングライターのジミ・ヘンドリックス、ノエル・レディング(B)、ミッチ・ミッチェル(Dr)のトリオ・バンドによる前作「ARE YOU EXPERIENCED」発表から約半年後に英国トラック・レコードから発表された2枚目スタジオ・アルバムです。今回も英国オリンピック・スタジオにおいて、THE ANIMALSのチャス・チャンドラー(B)のプロデュースによりレコーディングが行われ、全英5位、全米3位のヒットを記録しました。 ヒンドゥー教の神ヴィシュヌをモチーフとした千紫万紅なアルバム・ジャケットは物議を醸したようです。60年代とは思えない良質なサウンドに驚きを覚えますが、楽曲の方も前作以上に幅が広がっており、全体的にサイケデリック色が強まっております。オープニングに前作収録の「FOXY LADY」の流れを汲む3.SPANISH CASTLE MAGICではなく、ギターのフィードバック音が激しい1.EXPに導かれてのブラシを駆使したジャジーなドラムが印象的な2.UP FROM THE SKIESを持ってきたことも本作の多様性を物語っております。鉄琴も導入した美しい名バラード6.LITTLE WINGの存在も欠かせません。コーラスがキャッチーな4.WAIT UNTIL TOMORROW、ハードにドライブする5.AIN'T NO TELLING、リズムに溜めを効かせた7.IF 6 WAS 9、軽快なドラミングを聴かせる8.YOU GOT ME FLOATIN'、サイケな曲調の9.CASTLES MADE OF SAND、ノエルがヴォーカルを務めるキャッチーな10.SHE'S SO FINE、浮遊感のある11.ONE RAINY WISH、ファンキーな12.LITTLE MISS LOVER、エンディングのギター・サウンドがあまりにも素晴らしい13.BOLD AS LOVEとバラエティに富んだ好盤です。