＜商品の情報＞
新星映画、前進座提携の第2回作品。タカクラテルによる原作『箱根用水』は、実存するこの用水に関心を持った著者が長年の調査研究を経た上で文学の可能性に迫った国民文学の代表的な傑作といわれている。史実では、工事が完了して以来、友野与右衛門の消息は不明となっているが、山本薩夫監督は時代の先駆者を感動的かつ衝撃的に描き、時代劇に新風を吹き込んだ。

＜あらすじ＞
江戸時代、徳川四代将軍家綱の頃、箱根の西、三島側一帯の村々はいつも水不足で悩んでいた。江戸浅草の商人・友野与右衛門は土地の農民と力を合わせて、芦ノ湖の水を湖尻峠を掘り抜いて引く大事業を計画する。商人と農民だけで実施するこの大工事が成功すればお上の威光が失われる、と考えた幕府は様々な妨害を加える。しかし、与右衛門たちは屈することなく、遂にはトンネルを貫通させ、湖水が初めて三島の地を潤す箱根用水を完成させる。ところが喜びも束の間、与右衛門は幕府に捕えられ…。