＜商品の情報＞
真山美保の戯曲『市川馬五郎ー座顛末記』の映画化作品。労働運動などというものには全く縁のなかったどさ回りの一座が、炭鉱町でストライキに巻き込まれた顛末を描いた喜劇。古い意識の座員と争議団の先進的な労働者との交流がとてもユーモラスかつ的確に描かれている。絶頂期の東野英治郎のいぶし銀の演技、津島恵子と菅原謙二の瑞々しい存在感、そして山本薩夫のテンポの良い演出が際立つ傑作。製作時、スタッフ、キャストは手弁当でギャラは半額、残りは成功払いの約束だった。これが見事にキネマ旬報第9位に輝く。

受賞情報
☆キネマ旬報ベストテン9位

＜あらすじ＞
どさ回りのしがない劇団である市川馬五郎一座は、旅から旅へと芝居を続けているが、ある時玉木屋という悪興行師にかかって出演料がもらえず、貧乏のどん底に落ちてしまう。解散の一歩手前、ある炭鉱町で興行をうつことになり、座員の必死の呼び込みと町の人々の同情が功を奏して、小屋は久しぶりに満員となる。しかし、芝居の進行中に炭坑でストライキが始まり、なんとそのどさくさに紛れて今度は玉木屋は売上金を持ち逃げしてしまう。一座とストに入った組合とは対立するが、次第に互いの心内が分かり…。