＜商品の情報＞
当時の日本映画の立ち廻りやスターを中心に見せる様式重視の時代劇を根本から考え直し、本物の時代劇を目指した黒澤は"戦国時代のスクリーン上への再現"を狙いリアリズムを重視した。農民が侍を雇うという奇想天外な発想は、最初に製作を予定していた"ある侍の一日を正確に再現した物語"のための時代考証中に生まれた。ひとたび物語の骨子ができるや、世界も羨む脚本家の共同執筆体制により、登場する侍の人柄や役回り、舞台となる村の景観や地勢などを練り上げ、壮大なドラマに仕立てあげて行った。
演出では生の迫力を出すために、役者は敢えて時代劇未経験の俳優を多く集め、また3台のカメラで同時に撮影し後で編集処理するという画期的なマルチ・カム方式を採用。製作費の2億1,000万円は当時の映画製作費で換算すると7本分。撮影期間1年、上映時間207分という破格のスケールは無論、その内容に於ても年月を経た現在でも色あせない。

＜あらすじ＞
日本映画史上空前の超大作であり、映画各誌の邦画ベストテンで第1位の栄誉に輝く黒澤映画の金字塔。野武士が野盗化していた戦国時代を舞台に、貧しい百姓たちが侍を雇い、全力をあげて野武士の群から村を守ろうとする姿を描く。