＜あらすじ＞
【帽子箱を持った少女】
帽子作りのナターシャは、モスクワの帽子店に帽子を卸している。ある時、帽子店へ行く列車の中で貧しい学生イリヤと知り合い、彼がモスクワで住む部屋を確保してあげるため偽装結婚する。ある日、帽子店の亭主に代金のかわりに渡された宝くじが当たったことで、さあ大変!その男がくじを奪回しようと血眼になり、さらにイリヤとの恋の行方もからんで、ナターシャをめぐる大騒動が巻き起こる。
サイレントならではの軽やかでコミカルな動きが画面いっぱいに広がる初期バルネットのキュートなコメディ。

【国境の町】
帝政ロシアの片田舎。ドイツとの静かな国境の町に、第一次世界大戦、そしてロシア革命の波が押し寄せる。資本家は、軍靴の製造でひともうけしようとし、若者は次々と前線におくられる。その町に捕虜として連れて来られたドイツ軍の兵士とドイツを敵視する父親と二人で暮らしている純粋で心の優しいロシア娘との許されざる愛の物語。バルネットのトーキー第一作目にして、のびやかで溌剌とした"喜劇"たり得ながら戦争や革命の無意味さを静かに訴えた代表作。

【青い青い海】
大嵐にあって難破し、アリョーシャとユスフは、ある小島の漁業コルホーズの漁民たちに助けられる。二人はそこで機関士として働くことに。やがて美しい娘マーシャと出会い二人は同時に一目惚れしてし、ライバルに。アリョーシャは仕事をほったらかし、遠い町へネックレスと花を買いに行く。友の裏切り行為に怒ったユスフは彼を集会で糾弾する始末…。美しくダイナミックな海の表情を背景に、若者たちの愛と友情物語を歌と踊りにのせて描くロマンティックなミュージカルコメディ。