伝説的英国ハード・ロック・バンドDEEP PURPLEを脱退したリッチー・ブラックモア(G)が、DEEP PURPLEの前座を務めたことのある米国のELFのメンバーらとバンドを結成し、ドイツのミュージックランド・スタジオでレコーディングを行い、オイスター・レコードから発表されたデビュー・アルバム(邦題は「銀嶺の覇者」)です。メンバーはリッチーのほか、ロニー・ジェイムズ・ディオ(Vo)、ミッキー・リー・ソウル(Key)、クレイグ・グルーバー(B)、ゲイリー・ドリスコル(Dr)の5人で、リッチー&ロニーとDEEP PURPLEも手掛けたマーティン・バーチがプロデュースを担当しました。当初はリッチーのソロ・シングルとしてQUATERMASSも扱った3.BLACK SHEEP OF THE FAMILYのカヴァーをELFのメンバーらとレコーディングする予定であったのが、これに手応えを感じたことでアルバム制作・バンド結成に至ったものです。ギター・リフが秀逸な代表曲1.MAN ON THE SILVER MOUNTAIN、バッハに影響されたというクラシカル・バラード4.CATCH THE RAINBOW、ギター・リフがヘヴィな8.SIXTEENTH CENTURY GREENSLEEVES等、リッチーの趣味にしてロニー期RAINBOWの大きな特徴でもある中世音楽のエッセンスを垣間見ることができますが、リッチーのギター・プレイは大人しく、全体的な楽曲の完成度もやや消化不良気味ではあります。9.STILL I'M SADはジェフ・ベック期THE YARDBIRDSのインスト・カヴァー。