＜商品の情報＞
今もなお新たな信奉者を獲得し続ける漫画家・つげ義春。つげの漫画作品は、竹中直人監督『無能の人』、石井輝男監督『ゲンセンカン主人』、『ねじ式』など、ひとクセある異才たちによって映画化されてきた。『蒸発旅日記』はロングセラー・エッセイの映画化で、つげ映画の決定版である! 「貧困旅行記」の一編「蒸発旅日記」をベースに、漫画作品「必殺するめ固め」「初茸狩り」「西部田村事件」、エッセイ「猫町紀行」などのイメージやエピソードを加えてシナリオ化。

つげ義春+山田勇男+木村威夫が生み出した妖しく切ない豪華絢爛万華鏡
監督は映像ファンタジー『アンモナイトのささやきを聞いた』が、カンヌ国際映画祭などで話題を呼んだ山田勇男。寺山修司のスタッフとして活躍し、その後は独自の美意識にあふれた短篇を撮り続けてきた彼が、十年の沈黙を破り、『蒸発旅日記』を完成させた。

2003年7月12日劇場公開(ワイズ出版配給)
ユーロスペース 公開作品

＜あらすじ＞
日々の暮らしに行きづまりを感じた漫画家・津部は、ありったけの金と時刻表を持って、顔も知らない、まだ会ったこともない女性・静子のもとへと旅だった。自分の作品の愛読者だという彼女と結婚さえすれば、まったく違う生活が得られると思っていた・・・。
スクリーンに次々と映し出される魅惑的なイメージの洪水。文字盤が反転した時計、裸でなまめかしく横たわる少年、赤い布と戯れる踊り子、喪服を着た煙草売りの女、墓石を探す男。そして、それらをつなぐ静かな水のイメージ・・・。生きていくことへの根源的な不安が生み出す迷宮のような世界が、見事に妖しく花開く。生と死、官能とやすらぎ、夢と現実が背中合わせになった“蒸発”の旅が綴られていく。