＜あらすじ＞
次郎長三国志 第七部 初祝い清水港――
師走の清水港。久六の寝返りにより窮地に立たされ、遂にはお蝶を亡くしてしまった次郎長は、お蝶の百か日が過ぎるまでは酒も博打も断って丸腰で暮らそうと決めていた。久六を追うのは喪が明けてからだ。正月。久六を清水港に追い込もうと、お仲は賑やかな清水港を旅立って行く。仇討に急いた気持ちをじっと我慢する大政たちだったが、百か日を迎え、ついに清水に久六たちがやって来た。しかし次郎長一家は肝試しと称して宴会の挙句、ふぐの毒に当たって痺れてしまう。そこへ久六の一味が殴り込んで来た…。

次郎長三国志 第八部 海道一の暴れん坊――
石松は、次郎長から讃岐の金毘羅さんに刀を納めに行くよう使いを頼まれ、ひとり旅立つ。道すがら出会ったやくざ者・政五郎と共に無事金毘羅様に刀を納めた石松は、帰りに寄った遊郭で遊女の夕顔に惚れてしまう。別れ際夕顔から渡された一通の手紙…その手紙には夕顔の石松への思いが綴ってあった。石松に借りがある鎌太郎は、それを知り、夕顔を見受けし石松に添わせると約束をする。その頃、首に賞金がかかった石松を狙い、金に困った都田村の吉兵衛とその一団が石松を狙っていた。

次郎長三国志 第九部 荒神山――
石松の仇を取ろうと、大政を頭に子分らは都田村の三兄弟を匿った尾張の新辰親分の元に討ち入った。しかし三兄弟を取り逃がした上に、火付けの濡れ衣を着せられ、役人と農民たちを敵に回してしまい、山に立て籠らざるを得ない。この隙に、新辰と三兄弟は町から逃げ出した。大政たちに、次郎長の言伝を持って喜代蔵がやって来た。それは「身の証を立てるまでは帰って来るな」という次郎長の言葉と手切れ金だった。子分たちは山を降り、吉良の仁吉の婚礼に出席する次郎長に会いに行く決意をする。