＜あらすじ＞
次郎長三国志 第四部 勢揃い清水港――
清水に戻った次郎長一家。次郎長一家の引っ越し祝の席に酒の肴をしこたま持ち込んだ漁師の豚松。博打好き豚松は、「堅気は子分にしない」と言い張る次郎長から無理やり盃を受け子分になってしまう。ふらりと現れたお仲、さらには石松と三五郎が次郎長を頼ってやって来た。次郎長は相撲興行を計画、同時に諸国の親分集を招いて花会を催す。三五郎を敵と狙う黒駒の大貸大岩の闇討ちに端を発し、甲州の黒駒一家との関係が険悪となってしまう。

次郎長三国志 第五部 殴込み甲州路――
秋祭りに賑わう清水港。お千が嫁に行くというのですっかりショボクレた桶屋の鬼吉と関東の綱五郎。石松と三五郎も未だ投げ節のお仲に夢中だ。挙句大政までが分かれた女房を忘れられず泥酔する始末。大熊の賭場を荒らしまくる甲州猿屋の勘助の物の見役を買って甲州に旅立ったお仲が囚われの身になってしまう。お仲を助けるため、大野の鶴吉（緒方燐作）を案内人に甲州へ乗り込む次郎長一家。勘助一家からお仲を奪還した次郎長一家だったが、この殴込みで深傷を負った豚松が死に、石松は片目を切られてしまう。

次郎長三国志 第六部 旅がらす次郎長一家――
勘助を叩き斬って旅に出た次郎長一家。今や兇状持ちとなった一家は厳しい追っ手を逃れ山中を彷徨ううちにお蝶が病に倒れてしまった。泊まる場所にも事欠く旅の中、頼った保下田の久六に恩を仇で返され一家はのがれて七五郎（山本廉）と女房・お園（越路吹雪）の家に厄介になる。危機を逃れたもののお蝶の病状は悪化をたどり、ついに帰らぬ人となってしまう。「お蝶、清水に帰ろうぜ…」。野辺の送りをすませた夜、久六一家の殴り込みをかいくぐり、お蝶の遺骨を抱いた次郎長と一家は清水へと向かうのだった。