＜あらすじ＞
次郎長三国志 第一部 次郎長売出す――
処は清水港。三下の虎三（広沢虎造）が売られた喧嘩を買った次郎長（小堀明男）は、その喧嘩出入りで清水港を旅立つことになる。三年の月日が経ち、立派なやくざとなって清水港に戻った次郎長の前に、旅先で出会った桶屋の鬼吉（田崎潤）、対抗やくざの名代で喧嘩口上を述べに来た関東綱五郎（森健二）、訳あって武家の身分を捨てて浪人となった大政（河津清三郎）、そして坊主崩れの法印大五郎（田中春男）ら次郎長の男っぷりに惚れた男たちが次々に集まり、子分の杯を交わして次郎長一家となってゆく。

次郎長三国志 第二部 次郎長初旅――
やくざ稼業はつらいもの。庵原川の喧嘩を無事に納めたとはいえ、世間を騒がせた罪は罪。可愛いお蝶（若山セツ子）と二世の盃を交わしたその足で、次郎長は清水を発ち大政、鬼吉、綱五郎、法印大五郎の四人の子分と共に富士を背にしての初旅となった。途中、やくざ二人を相手に果し合いをしている少年・仙右衛門（石井一雄）を救い、沼津にて昔の兄弟分佐太郎の篤い歓待を受けた次郎長。すったもんだの挙句、結局仙右衛門も子分となって街道をゆく。そこで出会った、バカに威勢がいい男、それが森の石松（森繁久彌）であった。

次郎長三国志 第三部 次郎長と石松――
大岩の妹、おもとといい仲になってその許婚の子分や大岩に追われる追分三五郎を助けた石松。生まれついての馬鹿がつくくらいお人好しの石松と一を聞いて十六を知る利口で口達者な三五郎はいいコンビとなった。とある宿場の賭場で艶な壺さばきを魅せる投げ節のお仲にすっかり惚れたふたり。一方、ある賭場で開帳中役人に踏み込まれ御用となった次郎長一家。威張りくさった牢名主を叩きのめし、やがて百叩きの刑を受けて放免となる。