＜あらすじ＞
1954年のポーランド映画『世代』は、アンジェイ・ワイダのいわゆる「抵抗三部作」、つまり第二次大戦期におけるポーランドを主題とした彼の初期作品群の端緒を告げる作品である。物語は、ナチス・ドイツがポーランドを支配・管理していた時期に、ワルシャワの労働者階級が居住する地域を舞台として、若者たちがイデオロギー的に"成熟"して、反ナチ闘争や共産主義に関与してゆく様を描いている。出演者の一人であるロマン・ポランスキなど、本作の製作に携わった人員はほぼ同年代の若い世代(20代後半から30代前半)で占められており、自分たちの経験を反映させた新たな映画の語り口を発見しようとしていた。新旧の相反する「リアリズム」概念を内包したその写実的表現様式によって、戦後ポーランド映画の転換点の役割を果たした作品。