このショスタコーヴィッチの交響曲は大爆演！ アルバムの購入動機は「ステバン・ラージン」をケーゲルとパーヴォ・ヤルヴィと聴き比べをそるためだった。 交響曲第１２番は元々お気に入りの曲では有ったが。如何せんドゥリアンなんて指揮者は名前を聞いた事もなく、全然期待はしていなかった（私の無知さ加減が如実に表れている）。 取るい会えず、再生ボタンを押しトラック１から聴き始めると。途端に良い意味で期待を裏切られた。 初演者（？）のムラヴィンスキーのあの熱演に匹敵するほどの劇演であった。あの名門ゲヴァントハウスの能力ギリギリまで引き出し、慣れない曲で空中分解寸前まで追い詰めガンガンと演奏していた。これには本当に驚いた。 貫禄の点でムラヴィンスキーの判定勝ちとも言えるが、なかなかの名演奏だった。これを、復刻してくれたタワーレコードさんに感謝します。もちろん、ケーゲルの「ステバン・ラージン」も大満足でした。 世間一般には、ショスタコーヴィッチの交響曲第１２番「１９１７年」は非常に評価は低い。「映画音楽の出来損ない」や「当局に媚びるためだったが、失敗作」とまで言われているが、私はそうとは思わない。単なる耳積んぼかもしれないが、ショスタコーヴィッチの「二枚舌」感が心の奥まで感じ共感させられる。楽章の表題の付け方、描写の仕方、循環形式も、レーニン賛歌には私には聴こえてこない。後ろを向いて「あかんべー」をしているドミトリーの姿が浮かんでくる。「社会主義なんて糞くらえ」という叫びまで聴こえてくる。是非是非再評価をお願いしたくおもいます。