＜あらすじ＞
「島民よりも猫の数の方が多い島」として有名な宮城県田代島。この島では猫たちは3つのテリトリーに分かれて暮らしています。
人気者“片耳ジャック”や“金太郎”の亡き港では、相変わらずの“お魚争奪戦”の最中、黒猫の親子がひっそりと暮らしていました。
また、牡蠣の殻剥きや漁師さんの待機場所にもなっている番屋では、番屋猫と言われる子猫や親猫たち数十匹が毎朝美味しい朝食を貰っています。
一方、港から山の方へ向かって行くと、有名なチャーハン猫たちを含む、住宅猫と言われる猫たちのテリトリーです。ここには何とあの“片耳ジャック”のお兄さん“ゆめたろう”が居たのです。港の猫は生のお魚という美味しいものを毎朝食べられる反面、とても短命なのだそうです。「弟のジャックの分も長生きしてね」とゆめたろうに語りかけるおばさんの表情に思わず涙がこぼれます。
他の何者にも邪魔されない、人と猫、そして風と海、島民だけの時間がここにはあります。「猫の楽園」とも称される田代島、ここはもしかしたら「人間の楽園」なのかもしれません。