＜あらすじ＞
あの頃。９歳。／新子は、転校生・貴伊子の笑顔が見たいと思った。青い麦が一面に広がる地方の町。快活な少女・新子、麦畑に飛び込んで、その昔あったという千年前の都や、そこに住む少女など様々な空想をすることが大好きだ。クラスになじめずにいる転校生・貴伊子を麦畑に連れ出す新子。しだいにうちとけてきたふたり。しかし、ある日大切にしていた金魚の「ひづる」の死をきっかけに、ふたりの心が大きく揺れ始める。悲しむ貴伊子をいたわる新子は、「ひづる」を史跡の近くに埋めた。千年前の時がもつ奇跡に願いをかけて―。