＜商品の情報＞
ヌーヴォー・ロマンの旗手、アラン=ロブ・グリエは、『去年マリエンバートで』の台本で映画界に進出した後、監督としても"反復"を多用した斬新な作品を手がけてきた。日本での唯一劇場公開作となった『囚われの美女』は、75年にべルギーのシュールレアリスム画家ルネ・マグリットの同名作品を含む絵画コレクション77点と21点のフィギュアを織り交ぜてコラボした同題名の「大人の絵本」を、自ら映像化した実験的かつ幻惑的な作品である。

使用音楽: フランツ・シューベルト「弦楽四重奏曲 第15番」アルバン・ベルク四重奏団

＜あらすじ＞
バイクに乗った若くて美しい女ボス、サラに仕えるトランスポーター(運び屋)のヴァルテル。彼はタンゴが流れるムーディなクラブで出会ったセクシーな女性マリ=アンジュとエリントンの『ザ・ムーチ』を踊る。そこへサラからの電話。戻ると女は消えていた。サラからの指令を受けてコラント伯爵へ手紙を届けに向かう途中、道に倒れたマリ=アンジュを発見し、介抱してくれる人家を探してやっとみつけた邸宅に不条理にも幽閉されてしまう。翌朝、伯爵が死ぬが、彼はマリ=アンジュと婚約していた…。シューベルト、ワーグナーの旋律が鳴り響くなか、巨匠アンリ・アルカンによる美しく人工的な撮影に導かれつつ、観る者は次第に迷宮へと誘われてゆく。知力と想像力を刺激する摩訶不思議な映像世界。