＜あらすじ＞
遠州都田村・都鳥吉兵衛の口車に乗せられ、草津追分・身受山鎌太郎からお蝶の香典にと預かった百両を貸す羽目になった森の石松。だが、約束の期限を過ぎても返す素振りも見せない都鳥兄弟に詰め寄った石松は、気晴らしに家を出て、ふと差し掛かった小松村で、幼き頃より仲のいい、兄弟分の七五郎に呼び止められる。七五郎の誘いで家に立ち寄った石松は、これも幼馴染の七五郎の女房・お民と再会する。三人昔話に花が咲き、へべれけに酔って虎狼に化身した石松は、七五郎夫婦の止めるのも聞かず、都田村へ戻ってゆく。そこには石松を仇と狙う、元保下田久六の三人の乾分が、一家に草鞋をぬいでいた。