＜商品の情報＞
スペインに暗い影を起こした長いフランコ体制が73年に崩壊し、フランコが75年に亡くなって間もなく産まれたこの作品は、その体制が国民に及ぼした影響を色濃く描いたものである。無邪気な少女の残酷な行動と、度々流れるジャネットの大ヒット曲「悲しみの朝」Porquetevasと共に絶賛され、世界中でカルト的な人気を獲得した。日本では、先に歌で親しまれ、87年になって遂に公開された。今回は、最新のHDニュー・マスターによりその陰影が見事に再現されることになった。
『ミツバチのささやき』のアナ・トレントが、その2年後に出演した、スペインの名匠カルロス・サウラ(『カルメン』)監督作品。

原題 CRIA CUERVOS

1987年10月10日日本公開(シネセゾン配給)
キネカ大森 公開作品

＜あらすじ＞
スペイン、マドリードの中心街にある古びた一軒家。数年前にピアニストの母を亡くした11歳の長女レネ、9歳の次女アナ、5歳の末っ子マイテの三姉妹は、半身不随の祖母、メイドのロサと暮らしていた。アナは母の面影を引きずり空想がちだったが、職業軍人の父が知人女性との情事の後に急死したのを目撃して心を閉ざしてゆく。その後、叔母のパウリナが後見人となるが、尽くしてくれる叔母を疎ましく思ったアナは、毒を混ぜたミルクを彼女に与えるのだが・・・。