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恋のパッションを描いた映画。しかし、それは決して甘くはない。フランス映画黄金時代の名匠ジャック・フェデーの代表作この映画の監督であるジャック・フェデーは、ルネ・クレール、ジュリアン・デュヴィヴィエ、ジャン・ルノワールらとともに、1930年代のフランス映画黄金時代を支えた名匠だ。「外人部隊」は、「女だけの都」(35)、「ミモザ館」(35)と並ぶフェデーの代表作である。

破産した青年ピエール(ピエール・リシャール=ウィルム)が北アフリカの外人部隊に身を投じる。ゲーリー・クーパーとマレーネ・ディートリッヒが共演した「モロッコ」(30)でも描かれたように、かつての映画では、しばしば外人部隊はロマンティックなイメージで彩られていた。この「外人部隊」も、恋のパッションを描いた映画だ。が、そのパッションは決して甘くはない。何となく暗さがつきまとう。それは運命的な暗さといえるものかもしれない。

ピエールは、北アフリカの酒場で、パリでかつて愛したフローランスと瓜二つの歌手イルマに出会う。フローランスとイルマの二役を美人女優のマリー・ベルが演じる。酒場兼ホテルのマダムを演じるフランソワーズ・ロゼーはジャック・フェデー夫人。トランプ占いでピエールの運命を知る。ロゼーの名演がまた、見ものだ。

1935年キネマ旬報外国映画ベストテン第2位
キネマ旬報社ヨーロッパ映画ベスト200選出

原題: LE GRAND JEU