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映画『オー！ブラザー』（悪魔に魂を売ったブルースマン：トミー役）、『Ray』にも出演、グラミー賞受賞歴も持つクリス・トーマス・キング。ジャケットのドレッド姿が誇らしげなこのアルバムは、1997年にB.B.キングズ・ブルース・クラブで行われたライヴをレコーディングしたもの。アルバート・キングの名曲M2「I'll Play The Blue For You」のカヴァーで幕を開け、続いてクリス・トーマス・キングの代名詞とも言えるロック／ラップ／ブルースを融合させたオリジナル・ナンバーM3「Blues from Da Hood」とM4「My Pain, Your Pleasure」で会場を一気に沸点に。冒頭から炸裂する強烈なスラップ・ベースも最高にカッコイイ！「ロック＋ラップ」はよく聴くことができるが、そこにブルースが加わるのはこのキングだけ。会場の雰囲気をリアルに伝える音源自体も、録音から10年経過した今でも、全く古さを感じさせないどころか、新鮮みすら感じるほど。そして一転、ダウン・テンポで情感たっぷり、咽び泣くようなギターの音色が堪能できるM5「C'est la Vie」はこのアルバムの山場となっている。ここでの彼のギターはこれまでの中でも最高のパフォーマンスのひとつにも数えられるといってもいいだろう。キングの素晴らしいギターワークと革新的なアレンジは、このブルースの天才が時代を先取りしていたことを証明している。そのことを改めて思い知らされる傑作！