＜商品の情報＞
1960年1月14日劇場公開(大映配給)

＜あらすじ＞
●増村保造:第一話「耳を噛みたがる女」
紀美(若尾文子)は、隅田川に停泊する小船をねぐらに、銀座のキャバレーで勤め、儲けは投資するしたたかな女性。キャバレーで彼女と出会った客の田畑(川口浩)と春元(田宮二郎)は、どちらが先に紀美を陥落させるか、賭けをする。田畑は紀美を誘い、スマートなスポーツカーでドライブ、パチンコ屋でデートして彼女を落とそうとし、やがて紀美も田畑に熱い思いをささやくようになる。田畑は、それも紀美の手管のひとつだと思っていたのだが。

●市川崑:第二話「物を高く売りつける女」
流行作家の三原(船越英二)はスランプに陥ってしめきりから逃げるために失踪、湘南の海岸で物思いにふけっているところで、自殺しようとしていた美女・爪子(山本富士子)に遭遇、三原は彼女の自殺をやめさせ、彼女の家に送っていく。やがて爪子に惹かれるようになった三原は、彼女に彼女の亡夫の家を買うよう薦められてその家を購入するのだが。

●吉村公三郎:第三話「恋を忘れていた女」
お三津(京マチ子)は、元は売れっ子の芸妓だったが、京都の三条大橋の修学旅行専門の宿屋に嫁ぎ、夫を失った今はひとりで宿屋を切り盛りする女主人。本年も名古屋の小学生が遊学旅行にやってきたが、生徒の一人がオートバイにはねられるという事件が起きて大騒ぎに。一方、亡夫の妹の弓子(叶順子)が借金に訪れ、昔の恋人、兼光(根上淳)が口説きにやってきたりと、休む暇がない。そうこうするうちに、事故に会った小学生が重体に陥ったという知らせが届く。