＜あらすじ＞
不動産屋のクノックは、彼のもとで働くフッターを出張でトランシルヴァ゛ニアに行かせる。この地に住むオルロク伯爵がドイツのヴィスボルグに家を買おうとしているためである。彼の旅を心配する新妻のエレンを裕福な船主ハーディングに任せて、フッターは出発する。目的地に入る前の村の旅籠で、フッターは吸血鬼に関する本を読む。翌日の夕方、彼は目的地の手前にいる。するとどこからともなく、迎えの馬車がやってきて彼をオルロク伯爵の館に連れて行く。館ではオルロク伯爵自らが彼を出迎える。伯爵の奇妙な態度が、フッターを動揺させる。翌日になって、フッターは自分の首に二箇所の傷跡があるのを見つける。夜になり、オルロク伯爵がフッターの前に現れ、フッターのメダイヨンの中にはめ込まれている、彼の妻エレンの姿を見つめる。伯爵はフッターの住まいの向かいの家を買うことにする。その夜遅く、オルロク伯爵はフッターに襲いかかる。その同じ瞬間に遠くドイツの地にいる彼の妻エレンもフッターと同じ恐怖を感じる。フッターはオルロク伯爵が吸血鬼ノスフェラトゥであり、昼間は棺の中に横たわっていることを知る。夜になりノスフェラトゥはドイツへの旅の支度を始め、棺の中に入って出発する。ノスフェラトゥは筏でガラーツまで行き、そこで船に乗り換え、ヴァルナを経てヴィスボルグに向かう。館に閉じ込められていたフッターは何とか脱出し、陸路ヴィスボルグに戻る。ノスフェラトゥの船が黒海の港に立ち寄ると、ペストが発生する。ノスフェラトゥとフッターは同じ日の夜にヴィスボルグに到着する。ヴィスボルグにもペストが発生する。ヴィスボルグは死の町となる。夫に禁じられていた吸血鬼に関する本を読んだエレンは、自らが犠牲になることによって吸血鬼の恐怖から人々を救おうとする。エレンのもとにやってきたノスフェラトゥは、朝の光が部屋に入るまでそこにい続けてしまったため、滅び去ってしまう。