＜あらすじ＞
1884年11月1日、時の政府を震え上がらせる事件が起こった。世に言う「秩父事件」である。この事件は、デフレ政策・軍備拡張のための増税・世界恐慌による生糸輸出の激減に耐えかねた農民による武装蜂起である。この事件の中心人物のひとり、井上伝蔵（緒形直人）は北海道まで逃れて生き残り、臨終の床で、ひた隠しにしてきた自らの半生を家族に語る。妻・ミキ（田中好子）にとっては、信じがたい夫の過去であった…。