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これはよくいうべストアルバムでもセルフカバーでもない。過去を振り返るアルバムではないのだ。ここには過去の上田正樹はいない。このアルバムは上田正樹が新しい出発のために、自身の過去と現在を自らの心に問うてみた試みにすぎない。彼の興味は明日の自分にしかない。ここにあるのは、自身の立ち居地を確認する、真撃なアーティストの、静かに成熟した熱情だけだ。それは改めて、聴くものの胸を、激しいインパクトをもって撃つ。アルバム・タイトルの「OSAKA」は、たしかに歌手L上田正樹の原点をみつめようとする彼の心情でもあるが、しかしそれだけではない。原点から現在を経て未来へと飛期する熱い希いを包合している。