＜あらすじ＞
「この街を裏切った、新宿を売っちゃった・・・・・・だから死んだ。」

アンダーグラウンド演劇をしていた息子を内ゲバで殺された郵便局員の父親が、真実を知るために、九州田舎から単身上京する。自らの足で徘徊することで、新宿という街の「狂気」と出会い、徐々にそれを帯びていく様は圧巻で、年齢や世代を越えたラディカリズムの根元的な可能性の在り方を提示した。日本の資本主義的成熟という時代に伴って、アンダーグラウンド・カルチャーが浮上し、運動も衰退していくなかで、政治から芸術から風俗まで、フーテン、ヒッピー、カミナリ族、活動家、労働者、学生、家出少年と、それらすべてを混在させていた新宿という類い稀なる街の現在を、ありのままの姿で見事フィルムに定着させた新宿映画の決定版。