＜あらすじ＞
1800年代、ロシア。ある夏、16歳のウラジミールは避暑地で年上の令嬢ジイナイーダと出逢う。一瞬にして、ウラジミールはジナイーダの小悪魔的な雰囲気と魅力的な容姿の虜になり、初めての恋に心を焦がす。しかし、彼女は常に多くの資産家の男性達と過ごし、誰もがジナイーダの心を射止めようとするが、彼女は彼らを翻弄していた。ジナイーダは、密かな想いを胸に抱いていたのである…。ジナイーダは、無垢なウラジミールの心を傷つけたくないとの思いから、彼の深い愛を友情にとどめておくようにする。そして、夏の夜、月明かりの中、ジナイーダのもとへ忍んで行くある男の姿を目撃する…。汚れを知らない少年の心は傷つき、打ち砕かれてしまう。ひとりの無垢な少年が立派な青年へと成長していく姿を、人生の深さと愛の残酷さを知る苦しみを通して描かれていく…。