＜あらすじ＞
淡い日差しの中、女性のはしゃぐ声がする。まばゆいばかりの彼女は、男たちとバドミントンをしていた。16歳の少年アレクサンダーは、夏を過ごす避暑地で、その美しい年上の公爵令嬢・ジナイーダに心を奪われる。零落しているとはいえ、身分にふさわしく凛とした身のこなしの彼女は、アレクサンダーの心を気まぐれに弄ぶ…。これが初恋なのであった。気も狂わんばかりの彼は、ジナイーダもまた恋に落ちていると直感する。少年には女王として君臨していた令嬢が、実は、少年を寄せ付けない厳格な父親の前では、彼の言うがままになる従順な奴隷と化した愛人の関係にあることを、偶然にも垣間見てしまうのだった…。