＜あらすじ＞
1882年、ローマ。女権論者フォン・マイゼンブーク女史のサロンで若い哲学者パウル・レーは、稀に見る美貌と知性を兼ね揃えたロシア人女性ルー・サロメと知り合い彼女に魅了される。古代ローマの遺跡を散歩しながら、いきなりルーに求婚するパウル。しかし「結婚なんて牢獄と同じよ」という彼女は、二人の男性と共同生活をしながらともに学問をする"三位一体"の関係を望むのだった。そこでパウルは友人の哲学者ニーチェ、通称フリッツを仲間に入れることを提案する。たちまちルーに心を奪われたフリッツだったが、彼を崇拝する妹エリーザベトはルーに激しい嫉妬を抱き、母親や婚約者を味方につけて兄からルーを引き離そうとする。家族との決別を決意したフリッツは、ルーとパウルが待つライプツィヒへと向かう。そして始まる"三位一体"の共同生活。しかし彼らの親密な関係も、ルーをめぐるフリッツとパウルの嫉妬が原因で崩壊してゆくのだった…。