＜あらすじ＞
ナチス占領下に入ったケファロニア島。抵抗するパルチザンとして教会に潜伏していたイタリア軍軍曹サヴェリオは、ドイツ兵に見つかり、愛するフェリアの眼前で捕らえられてしまう。いっぽう、フェリアの娘エレナも、自らの危険を顧みず、密かにかくまわれた負傷兵ニコラの看護に身を投じる。捕虜収容所にて、審問所行きトラックの運転を命じられるサヴェリオ。だが、審問所とされた場所は、イタリア軍士官たちの処刑場にほかならなかった。「パルチザンは正規の軍事行動にあらず」。こう決めつけるナチスは、捕虜に取るべき国際法に準ずることなく、イタリア兵たちを単なる無法者として銃殺することにしたのだ。サヴェリオはただ悲しみをこらえ、先に処刑される戦友たちの遺言を書きとどめ、それぞれの家族へ宛てた遺品を受け取っていくのだった……。