＜あらすじ＞
ヒトラー総統の独裁下、ヨーロッパで版図を広げるナチス・ドイツ。支配民族としての力を誇示しながら、秘密警察は次々と政治犯、少数民族を特別施設に収容していった。１９３９年、制圧下ポーランドのバルト海沿岸に設けられたステュトフ収容所。そこでは異なる民族を階層化し、互いを反目させることで抵抗の意志を抑え込んでいる。無実の大学教授も、ここでは家畜のような扱いに甘んじなければならない。上層に位置づけられてさえいれば、たとえケチな窃盗犯でも思うがままインテリを蹂躙できるのだ。一度収容されたら、人を獣へとおとしめてしまう地獄。ドイツ将校たちはワナに捕らえたネズミをもてあそぶように、収容者たちの人格、生命を奪っていくのだった。