＜あらすじ＞
米倉一雄は、今日定年を迎えた。三年前には妻を病気で亡くし、がらんとした家の中で、たった一人亡き妻の遺影に向かって手を合わせる。「終わったよ…・・」ある日実家のある鎌倉の道をひとりで散歩する一雄。ここは闘病中の妻を引き連れて訪れた思い出の場所だった。「種子島に一緒にサーフィンしに行こうって約東したの覚えてる?」学生時代からの付き合いだった妻のそんな言葉を思い出した。実家に戻って物置の中を探すと、昔に買ったビンテージのロングボード。一雄の止まっていた時間が動き出し、単身種子島へと旅立つ。次第に『スローライフ』を楽しみつつある一雄。一方の東京では、就職活動という現実に追われ、自分のやりたい事をいまだ見出せない娘の姿があった。そんな時、一雄からの手紙が届いた。遠く離れた種子島で、一雄が伸び伸びと生活する姿が目に浮かんでくるのだった。妻の死、人生のリタイアという現実に向きあうことで、一雄はしっかりと、第2の人生「スローライフ」を見つけることができた。娘もそんな挑戦する父の姿を見ることでもう一度「自分」を見つめ直す…。