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19世紀のバイエルン国王ルートヴィヒ2世の謎の生涯
ヴィスコンティ「ドイツ三部作」の最後を飾る最高傑作。

『地獄に堕ちた勇者ども』『ベニスに死す』と、ヴィスコンティ美学が絢爛と開花した「ドイツ3部作」の最後を飾るのが、対策『ルートヴィヒ』である。18歳でバイエルン国王に即位し、40歳で謎の溺死を遂げた"狂王"ルードウィヒ2世。若き美貌の王ルートヴィヒは夢想家であった。音楽家ワーグナーとの友情、オーストリア皇后エリザベートとの秘められた恋、そしてワーグナーの楽劇『トリスタンとイゾルデ』。ルートヴィヒはワーグナーのパトロン、そして華麗なノイシュヴァーンシュタイン城をはじめとする3つの城で歴史に名を残した。だが、彼の晩年は次々に悲運に見舞われる…。

『ルートヴィヒ』は、ルートヴィヒの生涯の謎に迫った歴史大作である。撮影は極寒のバイエルン、オーストリアで現地ロケをし、数々の城や宮殿、別荘で撮影を行った。音楽は全編でワーグナーのオペラ『ローエングリーン』『タンホイザー』、そして楽劇『トリスタンとイゾルデ』が効果的に使われている。出演陣は豪華で、主役ヘルムート・バーガーの一世一代の名演は見逃すことができない。他にロミー・シュナイダー、トレヴァー・ハワード、シルヴァーナ・マンガーノ、ゲルト・フレーベなどの国際スターが出演。

監督のヴィスコンティは生前、彼自身の手で3時間版の『ルートヴィヒ 神々の黄昏』を完成させた。だが、当初の上映時間は4時間であった。ヴィスコンティの死後、彼のスタッフが結集して、作者の意図に近い4時間版を復元した。これが『ルードウィヒ 復元完全版』である。

＜あらすじ＞
狂王と呼ばれたバイエルン国王ルードウィヒ二世は贅沢三昧の生活を送っていた。彼は従姉エリザベートを愛していたが、彼女は結婚しオーストリア皇后となる。エリザベートの妹ソフィと婚約したものの、エリザベートを諦め切れず婚約破棄してしまう。その後は享楽的で退廃的な生活のなか、親しい人々も去り、失意のルードウィヒを襲ったものは…。