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謎と伝説に閉ざされた映画史最大の遺産
古代マヤ、アステカより続くメキシコの民族の生きた歴史

『戦艦ポチョムキン』(1925)によって一躍その名を世界に知られたセルゲイ・エイゼンシュテイン。彼には様々な事情から製作の途中で未完に終わった映画がいくつかある。『メキシコ万歳』(撮影は1931-32)もその一つで、撮影後も編集できず、心残りのままエイゼンシュテインはメキシコからソ連(現ロシア)へ帰国した。アメリカに残された未編集フィルムからいくつかのヴァージョンが勝手に作られたが、1979年、エイゼンシュテインの同僚アレクサンドロフの手によって本ヴァージョンが完成した。実にエイゼンシュテイン没後30年を経過、エイゼンシュテインとアレクサンドロフたちがメキシコで撮影してから47年を経過していた。編集はアレクサンドロフによるとは言え、また最後のエピソードが未撮影に終わったとは言え、古い文明を見据えながら現代メキシコの社会改革を志向する――主題への強い執着と独特の構図――エイゼンシュテインらしさは明白である。

1979年モスクワ映画祭名誉金賞

英題 QUE VIVA MEXICO!

1980年4月26日日本公開(日本海映画配給)