ノーマル・ヴォイスの多用とゴシック的な要素を含んだ音楽性への変遷によりファンの批判を浴びた前々作「PROJECTOR」、その延長線上にあったため、やはりあまり評判の良くなかった前作「HEAVEN」と、問題作を立て続けに発表するなどして迷走状態にあったバンドの6枚目スタジオ・アルバムです。数々の北欧デス・メタル・バンドのアルバムを手がけたフレドリック・ノルドストロームがプロデュースを担当しています。ミカエル・スタンネがデス・ヴォイスを復活させ、前2作の叙情面はそのままに初期の疾走感を呼び戻すことに成功しており、原点回帰作ではないものの、良質な新たな領域に踏み出す事に成功した起死回生作です。全編にわたって二クラス・ズンディンのリード・ギターとキーボードによるメランコリックなメロディに覆われており、特に3.MONOCHROMATIC STAINSや5.THE TREASON WALLにおけるそれは逸品です。