「メタル・ゴッド」と称される英国のヘヴィ・メタル・バンドによるガル・レーベルから発表された2枚目スタジオ・アルバム(邦題は「運命の翼」)です。プロデューサーは全英1位のヒット・シングルを輩出したTYPICALLY TROPICALのジェフ・カルバートとマックス・ウェスト。エンジニアにはのちに名盤「PAINKILLER」をプロデュースするクリス・タンガリーディスを迎えています。メンバーはロブ・ハルフォード(Vo)、グレン・ティプトン(G)、K.K.ダウニング(G)、イアン・ヒル(B)のほか、前作発表後に脱退したジョン・ヒンチの後任にバンドの初期メンバーであったアラン・ムーア(Dr)を再び迎えています。「堕天使」を描いたアルバム・ジャケットが無茶苦茶格好いいですが、中身の方は更に充実しており、BLACK SABBATHの「WAR PIGS」を彼らなりに解釈したかのような1.VICTIM OF CHANGESとミステリアスなギター・リフを持つ名曲2.THE RIPPERの二大代表曲をはじめ、ロブが脅威的なハイ・トーンを聴かせるバラード3.DREAMER DECEIVER、リフがギャロップする4.DECEIVER、バロック調のインスト曲5.PRELUDE、最も正統的なメタル・ナンバーの6.TYRANT、重厚なギター・リフの7.GENOCIDE、まるでQUEENの様にオペラティックな8.EPITAPH、ロブがディープな歌唱を聴かせる9.ISLAND OF DOMINATION等、前作「ROCKA ROLLA」から楽曲の質を飛躍的に向上させた名盤です。残念ながら本作もヒットには結び付かず、アランは本作限りでバンドを脱退してしまいます。