「ヘヴィ・メタルの祖」と呼ばれたBLACK SABBATHと同郷の英国はバーミンガムで結成されたバンドによるガル・レーベルから発表されたデビュー・アルバムです。プロデュースはBLACK SABBATHの初期3作品を手掛けたロジャー・ベインが担当。コカ・コーラのパロディであるアルバム・タイトルとジャケットは失笑ものですが、デザインはあのTHE ROLLING STONESのベロ・マークでお馴染みのジョン・パッシェによるものです。メンバーはロブ・ハルフォード(Vo)、グレン・ティプトン(G)、K.K.ダウニング(G)、イアン・ヒル(B)、ジョン・ヒンチ(Dr)の5人。のちに「メタル・ゴッド」と呼称される程に神格化される彼らですが、この頃のサウンドはデビュー当時のBLACK SABBATHにも通ずるヘヴィ・ブルーズ・ロックといった趣きであり、ヘヴィ・メタルらしさは一部でしか感じられませんし、バンドのトレード・マークともなるロブのハイ・トーン・ヴォーカルやツイン・リード・ギターのバトルも殆ど発揮されてはおりません。なお、オリジナル・シンガーであるアル・アトキンスも作曲メンバーに名を連ねております。単調的なギター・リフが繰り返される1.ONE FOR THE ROAD、6.CHEATER、9(DYING TO MEET YOU/HERO, HEROは並の出来栄えてますが、ミステリアスなギター・リフの2.ROCKA ROLLA、引きずるようなヘヴィなリフが印象的な今でもライヴで演奏されることのある7.NEVER SATISFIED、終盤におけるロブの歌唱が素晴らしいドラマティック大曲の8.RUN OF THE MILLはなかなかの佳曲です。本作発表後、意見の相違によりジョン・ヒンチがバンドを脱退してしまいます。