米国のバカテク・ハード・ロック・バンドによるアトランティック・レコードから発表された6枚目スタジオ・アルバムで、ここ日本ではチャート5位を記録しています。リッチー・コッツェン(G)参加から2枚目となる作品で、プロデューサーにはリッチーやリッチー在籍時のPOISON等を手掛けたリッチー・ズィトーを迎えています。メンバーはエリック・マーティン(Vo)、リッチー・コッツェン(G)、ビリー・シーン(B)、パット・トーピー(Dr)の4人。前作「GET OVER IT」はリッチーの色を全面に押し出したブルージーな作品でしたが、誰かに「LEAN INTO ITの頃のような曲を」と言われたのか、リッチー作の2.WAKE UPや3.SHINEはまるで前任ギタリストであるポール・ギルバートのペンによるものであるかのようにキャッチーで驚かされます。また、本作ではパットが曲作りに大きく貢献しています。ヘヴィなギター・リフで始まる1.LOST IN AMERICA、のちにTMGで共演するエリックとジャック・ブレイズの共作バラード4.ARROW、楽器隊が凄まじいプレイを聴かせる6.SUFFOCATION、名曲「DADDY,BROTHER,〜」の様な軽快なテンポの7.ONE WORLD AWAY、シャッフル調の11.HOW DID I GIVE MYSELF AWAYといった好曲もありますが、MR.BIGらしいアルバムかと言われるとやや首を傾げたくなります。本作発表後にビリーと他のメンバーの関係が悪化し、バンドは一度目の解散を迎えることとなります。