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一般的に1958年のバド・パウエルは下り坂にあったとされるが、新しい境地に向かって果敢に挑戦していたとみるのが正解だろう。それを証明するのがこのアルバムと「クレオパトラの夢」を含む次作『ザ・シーン・チェンジズ』。いずれもパウエルは全曲を書き下ろし、とくにこのアルバムでは初共演になるドラムスの巨人フィリー・ジョー・ジョーンズを相手に選ぶなど、積極的な姿勢をみせている。 しかも演奏はほとんどワン・テイクで完了、パウエルならでの豊かな歌心と深い表現力をみせつける。ベースのサム・ジョーンズはむろん、フィリー・ジョーも先輩パウエルに真正面から挑み、三者一体になったスリリングな場面が続出する。